日経新聞の仲裁判断に関する記事

スポーツ仲裁機構 セクハラ事案で初判断

Tokyoオリパラ2021年4月27日 19:43

日本スポーツ仲裁機構は27日、パラ卓球女子選手へのセクハラがあったとして日本知的障がい者卓球連盟から男性コーチが受けた処分を取り消したと発表した。仲裁機構によると、仲裁パネルがセクハラに関する事案について判断を下したのは初めて。仲裁判断の中では、コーチの指導が「競技者の意に反する」などセクハラに当たる3つの条件を示し、身体接触が多いスポーツ指導の現場で競技団体がセクハラの判断基準を定める重要性も指摘した。

判断は23日付。パネルはコーチの行為はセクハラに該当しないとして、連盟から受けた指導の処分と、コーチを外された決定を取り消した。

パネルは人事院規則や国際オリンピック委員会(IOC)などのセクハラ規定を検討した上で、「意に反する」に加え、「性的な性質を有する」「不利益や環境の悪化を伴う」行為をセクハラと定義。セクハラの認定にあたっては、被害者の主観が重視されるが、スポーツの現場では身体に触れることが許容される場合もあるため、「一定の客観性も必要」とした。

(出所:https://www.nikkei.com/article/DGXZQODH278UA0X20C21A4000000/)

  • スポーツ仲裁でセクハラに関する事案についてこれまで判断を下したことがなかったという事実を初めて知った。仲裁パネルの英断に、尊敬の念をいだくとともに、心より感謝したい。スポーツは基本的に身体接触・ぶつかり合いを一つの醍醐味としている性格をもっている。身体の動き、感触、衝突、受け身などの競技技術を如何に伝えるか、習得するか、コーチのコーチングのスキルが問われるところでもある。性的な性質を有することがセクシャルである基本条件とシンプルに考えていた。まったく性的な性質のない行為であり、多数の目撃者がいて問題がなく効果的な技術指導と認識していたとしても。その時は本人や親からも感謝されたとしても。セクシャルハラスメントではなかったことを証明することは容易ではない。今回の判断では、セクシャルハラスメントであることの確固たる証拠を提示する責任が、処罰を与える側にはあることを明言している。たしかに無いことの証明は難しく、有ることを証明するのが道理だろう。この何があったことを証明するのかという点で、各競技において、どのような身体に接触しての指導行為が、性的な性質を有する、または、性的な性質を有し得る行為であるかの定義を行うことが重要だろう。私自身もそうだが勉強も同じで「嫌だなあ」と感じる練習は数多い。そのどれがセクシャルな練習メソッドと解釈される可能性があって、どのような状況になるとハラスメントになるのか、その定義を行い、周知させることは、コンプライアンスを徹底させるためにも、コーチや選手に不幸な事態を招かないためにも重要なことだろう。