10月26日 湘南台祭り、沖縄太鼓と腰ふりサンバ

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湘南台祭り、毎年この時期なのか、以前見たときとだいたい同じグループが、行進に参加している。沖縄太鼓の一団は統率がとれて見ていて気持ちがいい。沖縄という風土は独特の文化を育てていて、一つの独立した文化圏を形成しているようだ。琉球国という日本本土と物理的にも精神的にも一定の距離をおく自負と海へ開けた自由な気風がなせる業であろうか。

サンバチームの際どいビキニダンサーらが初老のカメラマンたちの期待に応えて腰をリズミカルに振動させる。熟年の女性たちは、全身を覆うサーカス的ないでたちで、迷うほどの魅惑を振り撒いている。

3年前だったか、その時に見たダンサーとはまた顔(腰)ぶれが相当変わっているようだ。日本の街並みをほとんど裸と言っていいあられもない格好の若い女性が練り歩くのは、時代の変化というだけでは説明できない凄みを感じさせる。

日本の精神風土は、特異なものに対して憧憬と拒絶の両極端の反応を見せてきた。

これが、個人レベルでも社会レベルでも、同時にも交互にも起きる。今は女性が推進力になって、古いしがらみを拒絶して、より開放的な海外諸国の習慣、文化を取り込んで、日本社会における日常生活の冒険として売り出しているようにも見える。外国の女性にできて、日本の女性にできないことはないとでも言いたげである。ブラジルの女性のように積極的参加型でサンバを楽しめる才能と魅力を自分たちも持っているんだと主張している。確かに、見る方も見せる方も楽しんでいる。社会から日陰に追いやられていたヌードショーの文化から、サンバの超露出オンパレード文化への昇華は、現代女性に主導された一つの解放、ルネッサンス的な運動なのかもしれない。

スポーツや音楽・芸術の世界では、新しいものが国境を越えて広がるのが早い。ジャズやレゲエが世界中に広まるのは一瞬で足りた。ちょうちんブルマーからタイトなパンティ型に変わったり、女性アスリートがほぼみんなビキニ姿になったのもルールが同じで結果勝負のスポーツ界ならではの現象だろう。

祭りは固有の文化をその土地の住民が一体になって体現するもの。土地社会、町の景観や風物詩的なものと切り離しては考えられない。かといって、他の地域で根付かないわけでもなさそうで、分根や接ぎ木した場合でも、異なる風土・社会でまた違った味を見せてくれるものなのかもしれない。