月別: 5月 2022

全日本クラブ卓球選手権大会、九十九が東京都予選を通過し代表チームになりました!

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5月14日、全日本卓球クラブ選手権大会の東京都予選会が江戸川区スポーツセンターで開催されました。私の所属する九十九チームは、前年度、卓楓会に奇跡的な勝利をおさめて、出場権を獲得下にもかかわらず、全国大会が中止となり、本年度、再挑戦することになりました。しかしながら、本年度は全国大会で優勝、準優勝、ランカー・チームであるキングコング、代々木クラブ、ゴルベテAチームも予選に出場するということで、東京都代表3チームの枠がすでにシードチームで埋まっている状況。50代以上の部で、60代主体の九十九チームの予選通過は、風前の灯火、となっていた。

ここで、常勝キングコングが予選不参加ということになり、3チームの争いに食い込む可能性が広がる。東京都卓球連盟は組み合わせを事前公開しないため、当日の朝に組み合わせを見る。ゴルベテAが第一シードの側で一位になれば予選通過、2位で反対側の2位と3位決定戦を行い勝ったほうが予選通過という想定内の組み合わせ表である。とはいえ、初戦(二回戦)からすべて予断を許さぬ強豪チームとの戦いである。

初戦は昨年も戦った松卓会との対戦。前回はダブルスで負けている。私はとにかくダブルスのサーブ・レシーブが苦手で、今回はダブルスのサーブ練習を特訓してきた。レシーブは大事に入れていくこと。あとはフォアドライブ主体で動きまくるだけ。1ゲーム目は出足よくとれた。2ゲーム目は7-10と追い込まれるも、とにかく粘って逆転。昨年の雪辱を果たす。それでも試合は2-2までもつれ、最後は河島先輩と相手は左の伊藤さんの戦い。河島先輩のスマッシュとバックプッシュの嵐で、圧勝して3-2の際どい試合をものにする。3回戦はチームDreamに勝った昭友クラブ。ダブルスは、左の松倉さんが調子よく思い切りの良いドライブを炸裂されて、1-1とされる。ここで河島先輩の台上プレーが冴えて、私もラリーのしぶとさで逃げ切る。最近はダブルスの3球目や4球目の待ちの動きがスムーズにできるようになってきた。シングルスはエースの若林さんが私と正面対決。ラリーに強い若林さんに対して、サーブ・レシーブで攻め勝つ展開。

決定戦は、予想通りのゴルベテAとの対決。勝負はダブルスで決まると思われた。相手の河原さんはレシーブの名手で、中村さんはラリーに強い。これまで一度も勝ったことのない強豪ペアである。1ゲーム目は中村さんに私のボールをうまく返され、河原さんに撹乱されて、順当にあっさりと取られた。2ゲーム目、とにかく何とかしたい。河原さんは前陣でカウンター狙いなので、私のドライブ連打には対応がむずかしい。ラリーになると有利。河島さんのフォアのカウンターが決まらず、一進一退。ジュースを繰り返しながら、最後に3球目をミドルに決めて15-13で1-1とする。3ゲーム目はネットやエッジの運がつき、河島先輩がゆるいドライブを打って中村さんが合わずにこちらに流れがくる。フォアに払われるボールに飛びついて返球しミスなくプレーでき、初勝利を呼び込めた。二番手の椋さんが杉木さんに勝って、あと一勝。九十九チームは、私と成松さんとの勝負で決めたいところ。

成松さんとは数年前に対戦し3-2でやっと勝ったことがある。昨年の50代の東京都代表。右ペンドライブの戦型としては慣れているタイプではあるが、乗ったら怖い。サーブから一気に決めたい私は、想定どおり8-2と突き放す。しかしここから粘られる。レシーブドライブを決められ、8-4からの決めに行った私のドライブ連打をさらにドライブ強打で打ち抜かれて、完全に流れが変わった。8-8からレシーブミスで8-10と、こちらが断崖に立たされる。レシーブで思い切って10-10に戻す。フォア前のサーブをクロスに払われて10-11。レシーブを打って11-11。ショートサーブから3球目ドライブをストレートに決めて12-11。レシーブをバックに払って、ドライブミスを誘い、やっと大逆転されたゲームを再逆転で取れた。これで波にのるかと思われたが、2ゲーム目もいつの間にか4-8で大負けの展開。4番手の河島先輩が河原さんに敗れ、隣の佐藤さんも中村さんに敗色濃厚。何のために毎日練習してきたのだろう。私が何とか勝つしかない。ここ数日、卓球エルボーで右手の小指・薬指のしびれが続いている。サーブをうまく出す自信がなく、成松さんにもレシーブから攻められて苦しい展開。ここでフォア側からのサーブに切り替える。6-8、8-8に追いつき、9-9。ここからが勝負。フォア側から相手のバックへ縦斬りのショートサーブからストレートに3球目強打を決めて10-9。次の同じサーブが長くなって、それを成松さんがドライブのオーバーミス。勝った。全国に行ける! ただ、ほっとした。

ダブルス全勝で2-2のラストで勝った河島先輩、3回戦で勝った佐藤大先輩、最後の決定戦で勝った椋さん。園田監督とずっと応援してくれた九十九B、九十九C、九十九若手とLINEでみている応援団。4人のメンバーと九十九のみんなの応援でつかんだ東京都代表権。本戦は2回目で、前回は準決勝だったので、今年は決勝を目指したいと思います。ありがとうございました。

追伸:ゴルベテA は、代々木クラブに決定戦で3-2で敗れた卓楓会との3位決定戦で勝利して、3番目の代表枠を獲得しています。

知的障がい者と卓球 ~親子で拓いたパラリンピックの道~

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全国障害者総合福祉センター編集、日本障害者リハビリテーション協会発行の『戸山サンライズ』という季刊誌に、表題の拙稿が掲載されました。

2020東京パラリンピックの卓球競技において、日本で唯一の、そして知的障がいクラスでは初めてのメダル(銅)を獲得した、伊藤慎紀選手のお母さんのお話をもとに、親子で辿ってきた九十九折りの長きパラリンピック・メダルへの道をつづったものです。

10のクラスに分かれる肢体障がい部門と比べ、クラスが一つしかない知的障がい部門では、障がいが比較的重い選手が活躍することは難しい状況があります。その傾向はパラリンピック競技となってさらに強まっているといえるでしょう。障がいが軽い方ではない伊藤選手は、これまで日本国内のチャンピオンシップ大会で、10回も優勝を遂げている知的障がい者卓球のパイオニアであり、レジェンド的な存在といえるでしょう。ベテランになった今、パラリンピックで銅メダルという偉業を達成した伊藤選手の栄光を支えてきたのが、家族であり、お母さんの伊藤享子さんです。”障がいがあっても、がんばれる。その障がいの程度が重くても、あきらめることはない、ということを伝えたい”。そう語ってくれた伊藤享子さんと伊藤慎紀選手の親子のストーリーを少しでも知ってもらえたら幸甚です。