月別: 1月 2024
「騎士団長殺し」をAudibleして
ひさしぶりに早稲田大学を訪ねると、村上春樹ライブラリーなる奇抜な建物ができていた。中をのぞくと村上春樹の作家としての軌跡をたどるMURAKAMIワールドが展開されている。村上作品が読めるというAudibleというソフトをスキャンすると「体験入会しませんか」という画面が出る。こういった勧誘はふだんは無視することにしていたが、早稲田大学の村上春樹ライブラリーの中にいることで心理的なバリアがくずれて、YESというボタンを押す。Audibleの世界は移動中や電車の中だけでなく、家の中でも勝手に音が流れてくるので、予想以上に使い心地がいい。ネットでアニメを見ている生活にもやや飽きてきていたので、小説を聴く生活に変えてみるのも悪くないと思う。
最初に聴いたのは村上春樹の「騎士団長殺し」だ。
第1部顕れるイデア編が上下二巻、第2部遷ろうメタファー編が上下二巻、かなりの長編で、1巻につき10時間は聴き続けることになる。ただ、手足の自由は効くし、どこにいても聞けるので、本を読むよりも実際には早い日数で聴き終えることができた。高橋一生の声も頭によく響いて、情景を浮かべやすい。第1部ではこれがどうして「騎士団長殺し」という題名にふさわしいストーリーなのか、不可思議だった。第2部でドイツでの未遂事件の記憶にもとづいた「騎士団長殺し」の日本画から飛び出した騎士団長風イデアおじさんが実際に「騎士団長殺し」の未遂事件を完遂させるというイベントが、このストーリーの真骨頂であることが理解できた。たしかに村上春樹ワールドはイデアの世界を活字にしたものなのだろう。イデア(理念)は随所で芸術や音楽の形をとってあらわれる。秀逸なのは、このHARUKIワールドが、形而上の世界と形而下の世界を自由に行き来することである。この手の小説にはめずらしく、男女の心と身体の営みに関する描写はあられもなくつまびらかで、情欲をそそられるがままに、次のストーリーのページをめくらせる。
かなり長編の4冊を4日間で聴き終えたのは、これまでの私の読書経験の中でも、相当に早い。私が暇な人生を送っていることの証明なのかもしれない。とはいえ、普通は、疲れて読むのを休むところだが、聴くだけだと時間はかかっても着実に次のページがナレーターによってめくられていくので、あまりこちらは疲労感がなく、そのわりに、頭にはその情景が浮かびやすく、記憶にも残りやすい気がした。
ただ、Audibleだと、あとから読み返すには不便である。登場人物の名前やイベントの確認をするために、あとからそのページを開いてみるというのは難しい。まあ、そういう行為は読書感想文を書いたりするときぐらいしか、しない気もするが。
能登半島地震と津波の被災地の方々の無事と安全と迅速な復興を祈ります/New Year Prayer for the people affected by the Earthquale and Tsunami
家族と正月を祝う今も、世界ではウクライナやガザでの戦争などの人災が続いています。
しかし、ここ日本でも、能登半島でマグニチュード7の地震が起こり、日本海沿岸に津波の脅威が迫っているという突然のニュースに、正月ムードが一変する事態となっています。被災者や家屋倒壊、道路の崩壊、大火事などのニュースも目に入ります。
ポジティブなことがあるとすれば、政府においても民間においても迅速な対応がみられること、被災地においても大きな混乱はなさそうだということ。東日本大震災の記憶が新しく、心に刻まれていることが如実に感じられます。ただ、交通機関や電力網などは災害にはまだ脆弱なところがあるようです。
新年にあたり、被災地のかたがたの無事と安全と早急の復興を祈願いたします。
みなさまと人災や天災に苦しんでいる人々にとって、よりレジリエントで安全で幸多き2024年となることを祈願しております!!
While we are celebrating the new year with family and friends, human disasters continue in Ukraine, Gaza and mother Earth in general. Our peace and joy were suddenly shaken by the news of M7 earthquake centered in Ishikawa prefecture located upper middle (Japan Sea side) part of Japan. There are news of human casualties, fallen houses, collapsed roads, and fires. It appears that most parts of the Japan Sea coastal area are under direct threats of Tsunami. Positive news are immediate responses and relatively calm orderly people’s reactions to this sudden shocking occurrence of natural disaster even in the middle of new year celebration. The deep sad memory of the Eastern Japan Earthquake and Tsunami is still vividly alive in our heart.
Our new year prayer will certainly be with the people affected by this earthquake.
Wishing you and the people affected by the disasters both human and natural to have a resilient, safer and happier year 2024!!


